一枚の写真を見ながら 神妙に すまなそうに 先方は言う
別に 彼が悪いことをしたわけではない
みーは憮然としながらも 黙ってうなずくしかなかった
彼はさらに言う
「右のは ここでしかあっていない 左のは…
あってないですね~ だからここで無理して 一線を越えたのでしょう
もう…三年ですからね…状態 良くならないでしょ?」
ある程度 覚悟はしていたものの こうして証拠写真を突きつけられ
一線を越えた…とまで断言されれば…認めざるをえない
この三年間 微かな可能性にかけて 自分自身を誤魔化してきたみーでしたが
そろそろ 覚悟を決めなければいけない時期が 来たようです
「わかりました でももう少し 考えて また来ます」
この期に及んでまだ 往生際の悪いみー
って 大げさですみませ~ん これ ジツは…
昨日の 歯医者さんでの先生とみーの会話です
先生が レントゲン写真を見ながら
「一線を越えた」なんて言い方をするから
みーの妄想スイッチに触れちゃったじゃないのぉ~
一線を越えたのは みーの歯の痛みです
もう痛み止めでは だましがきかなくなりました
右の奥歯を守るために 左の奥歯を抜かなければいけないそうです
入れ歯かぁ~~