田舎に生きるふつうのおばさん2

北海道の田舎で農業を営むおばさんです

女ごころ その2

7年前の春のことです
 
私達 趣味の農産加工のグループが いよいよ起業家することになり
 
緑の侍デザイナーと 打ち合わせをしていたときのことです
 
商品のイメージキャラクターを どんなふうにしましょうか? と問われ
 
誰かが言いました
 
「昔ながらのやり方で作っているものが多いので 
 
おばあちゃんの顔でいいんじゃないですか」
 
皆がその意見に賛成し
 
「では次回の打ち合わせまでに 原案を描いてきます」
 
と その時は解散
 
 
次の集まりの時 緑の侍さん 絵を携えてやって参りました
 
その絵が 皆の前で披露されると そこには ひっつめ髪に鼻眼鏡 
 
明らかに おばあちゃん の絵
 
前回の打ち合わせに沿った 順当な絵でした 
 
すんなり決まるかと思いきや
 
「あまりにも年寄り過ぎるでしょ この絵は」
 
(この前 お婆ちゃんの顔にするって決まったしょ~)
 
「私ら これほど婆さんじゃないよね」
 
(別に あなたがモデルってワケじゃないし~)
 
「もう少し若い婆さんの絵は描けないのかい?」
 
(プロにそこまで言うか???)
 
と さんざんな反応でした
 
 
緑の侍デザイナーさんは言います
 
「うんと若いとか 子供とか お婆ちゃん というのはキャラクターとして成立しますが
 
中年 というような曖昧な年齢の顔は キャラクターとしてはインパクトが弱くなります
 
ここは はじめに決めた お婆ちゃんの絵が 私も良いと思います
 
これに動きを加えると お婆ちゃんが生き生きしてきます これじゃダメですか?」
 
う~~~ん イメージが悪いわ! 
 
こんな年寄りが作ってると思われちゃ 売れない
 
強く抵抗したのは 明らかにお婆ちゃんな会員・・・
 
いくら説得しても 意外に抵抗が強いのでした
 
そこで侍さんは 妥協案を出してくれました
 
「では 昔ながらの作り方の お味噌と漬け物には お婆ちゃんをキャラクターに
 
お総菜とかおやつには元気に食べる男の子 ジャムには女の子で考えましょう
 
いわゆる 兵村村(へいそんむら)の一つの家族です」
 
と新たな物語がそこで出来たのです
 
 
そのあとの打ち合わせで 男の子の絵と 赤毛のアンのような女の子の絵が
 
追加され 商品の顔が出来上がりました
 
 
最後に 緑の侍さんが言いました
 
「みなさん一人一人に 私から名刺を作ってプレゼントしましょう 
 
名刺に載せるキャラクターは 全員同じものに統一しましょう どれがいいですか?」
 
「決まってるでしょ~~~その三つ編みの女の子がいいわあ~~」
 
賛成~賛成~賛成~
 
かましいよねぇ~  
 
 
そんなワケで 我ら兵村味工房 70歳の会員も80歳の会員も 
 
みんな ニコニコ 可愛い名刺を持っています