田舎に生きるふつうのおばさん2

北海道の田舎で農業を営むおばさんです

患者A子

A子は主治医に若干の不信感を抱きながら
 
3ヶ月に一度 耳鼻咽喉科に通院している
 
A子の通院歴は長い
 
この主治医とも もう10年以上の付き合いになる
 
A子は 1ヶ月に一度の通院が何年か続き それが煩わしくて
 
薬を3ヶ月分出してくれないかと主治医に頼んだことがある
 
そのときは
 
規則ですから と あっさり断られた
 
あるときから A子は眼科にも毎月通うことになって
 
眼科と耳鼻咽喉科が両方ある病院なら通院も一ヶ所ですむので
 
主治医に
 
転院したいから紹介状を書いてほしいと頼んだ
 
主治医は 薬を3ヶ月分ずつ出すから病院は変えないでほしいと言い
 
A子は断り切れず未だにその主治医のもとに通っている
 
A子が一番不信感を抱いているのは 血液検査だ
 
1ヶ月に一度の通院のときも 3ヶ月に一度の通院になっても
 
血液検査は一回おきなのだ
 
つまり血液検査が2ヶ月に一回から6ヶ月に一回になった
 
検査の結果は次の受診日に聞かされる
 
こんな検査 意味があるのだろうか?
 
何の検査かというと
 
甲状腺のホルモンの値が正常に働いているか という検査で
 
A子は自慢してこう言うのだ
 
私の検査結果は一度たりとも標準値からはずれたことはない と
 
それなのに A子は貴重な血を抜かれることが耐えられない
 
そうじゃない 検査費用が高いのだ
 
ある時 主治医が休みで医大の先生が代わりに診察をしていた
 
A子は思いきって その医大の先生に聞いてみた
 
血液検査ってこんなに必要ですか?
 
そうだねぇ~数値も安定してるからふつうはこんなにはしないよ
 
と答えてくれた
 
A子は今日も病院へ行った
 
今日は 2~3日前から風邪の症状が出ているので
 
風邪薬も出してもらうつもりでいた
 
今日の担当はいつもの主治医
 
診察の最後に また血液検査しましょうね と言った
 
「また」とはまた今度のことかと思って A子は診察室を出た
 
するとナースが追ってきて 血液検査してから帰ってくださいね
 
と言うのでA子はそこでキッパリ断って 
 
病院会計を済ませ 意気揚々と院外薬局へ向かった
 
院外薬局で 名前を呼ばれ薬を渡されたが
 
先生に頼んでいた風邪薬が出されていない
 
風邪薬もあるはずですけど?
 
先生にお願いしたんですけど 
 
と強く言うA子
 
それでなくても血液検査のことでカチンと来ていたA子は
 
さらに高飛車な態度で 
 
先生に電話して確認取ってください!とさらに強く言う
 
すると先生と連絡を取った薬剤士が そっとA子のもとへ駆け寄り
 
すみませ~ん処方箋もう一枚もらいませんでしたか~? と聞いてきた
 
あら恥ずかし・・・
 
バッグにしっかりもう一枚の処方箋が入っていた
 
穴があったら入りたかった今日のA子だった
 
A子とは 言わずと知れた私のことである