田舎に生きるふつうのおばさん2

北海道の田舎で農業を営むおばさんです

病院あるある話

今日は 母の付き添いで 病院へ行って来ました

母は急に筋力が弱り 病院内では車いすで移動しました

大きな病院は 外来の受付にたどり着くまでも大変です

母は今回 入院を覚悟して

前もって髪も短く切り もう白髪染めもやめたので頭は真っ白です

そんな母が 

待合いの廊下で 車いすに座ったまま 呼ばれるのを待っていました

そこへ もう一人 車いすに乗ったお婆さんが通ります

はいごめんなさいね 通してくださいね おとうさんごめんなさいね

といいながら母の横を通っていきます

狭いので 車いす同志がぶつかりました

すると

あら おとうさんごめんなさい ぶつけてしまって

と あまりにおとうさんおとうさん 言うので 私が

お母さんですけどね

といったら

あら ごめんなさいね~目が悪くて~

と更にごめんなさいを繰り返していました

たしかに母は年をとって白髪染めもやめた今 

兄と並ぶと見分けがつかなくなりました


母は次に血液検査に行きました

順番を待つ間 前の人をなんとなく見ていると

車いすの背もたれから頭が出るかでないかの小さな子が

採血台のところで待っていました

そばには若いママが付き添っています

その子は真っ白い可愛い毛糸の帽子をかぶっていました

看護婦さんに話しかけられても

その子は じっとおりこうさんにしています

私は母に言いました

あの子偉いね~ あんなに小さいのに泣きもしないよ

といったら 

アレは子供じゃないでしょ

と 母

看護婦さんに促されて出した腕はシワシワでした

おばあちゃんだったんだなぁ~

筋力が弱った母ですが 目は私より良いのです



先生が母を診て ひとり暮らしは大変だろうと 

母は 検査のあいだ入院することになりました

病室へ案内されて ベッドで いろいろ説明を受けていました

私との関係を聞かれ 私の連絡先を聞かれました

私が

山口百恵です 電話番号は・・・ と言ってると 隣のベッドから

ももえちゃん! ももえちゃんでしょ!元気だった?

と 声がかかりました

え?誰???

と 目が悪い私は そばまで行ってじっと顔を見たけどわかりません

なにさ~忘れたんかい? 淳子だよ 淳子!

どこの淳子さん?

いやだ~ 札幌のさ! 

ヤだね~ももえちゃん私のことわからないってかい?

ええ~?淳子さんって知り合いはいるけど

札幌の淳子さんは わからないわ~

何言ってるの~~いやだね~

と私が怒られているところへ 淳子さん担当の看護婦さんが来て

淳子さん その人はどこの百恵さんなの? と聞きます

親戚のさ~ 今日はみんな集まるんでしょ

と・・・ここでようやく私は気付きます

この方 入院しているあいだに認知症の症状が出ちゃったんですね

いや~私が知り合いの顔忘れたかと思った

次に淳子さんに会うのが楽しみだな

今度は誰と間違えられるかな