田舎に生きるふつうのおばさん2

北海道の田舎で農業を営むおばさんです

ハガキ(旭川新聞平成24年11月13日掲載)

長野県に住む姉はあるとき、旭川に暮らす老いた両親に毎日ハガキを書こうと決めました。
私が実家へ行くと、母は姉から届いたハガキをよく見せてくれました。
 両親は読むだけで、返事は書きません。
いくら姉が好きで始めたこととはいえ、一方通行ではつまらないだろうと、
ある時私が返事を書きました。
それからはときどき私にもハガキが届くようになりました。
 同居している孫の育児を手伝いながら勤めにも出ている姉は、
よくそんな時間があると感心するほどまめに、ときには下の妹にも書いていました。
後で知ったことですが、姉は最低でも一年間は両親へのハガキを書き続けようと
自分に課していたのでした
 それから半年くらい過ぎたある日、父に「(姉に)何か伝えることない?」と聞くと
父は「そんなに書いて寄こさなくてもいい」と言いました。
喜んでいるとばかり思っていたのに意外な返事でした。
そして「たかが50円でも毎日ではハガキ代もバカにならないのだから、
三日に一回くらいにするように言っておけ」と続けたのです。
あぁ親って、子供がいくつになっても親なんだなぁと、感心した出来事でした。
 あれから2年ほどが過ぎて、最近は表裏小さな字で埋め尽くされた私製ハガキが3枚、
封筒に入って届くようになりました。
姉は父の教えの上をいくケチケチ大作戦で好きなハガキを書き続け、
私達を楽しませてくれています
 
 
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