田舎に生きるふつうのおばさん2

北海道の田舎で農業を営むおばさんです

つもりだった 旭川新聞 並木道 2018/1月30日

  年末に生けたお花が、暖かい部屋の中で思いのほか長く咲いて、

半月ほど楽しんだあとに片付けた。

だめになった花を少しずつ入れ替えようと

予備の花も買ってあったのに、

その花は予備の花瓶の中で枯れてしまった。

かわいそうなことをした。

この花たちも愛でるつもりだったのに。
 
 暮れの大掃除は早くから始めて、

清々しいお正月を迎えるつもりだったのに、

まだ余裕があると油断して一部屋は手つかずで新年を迎えてしまった。

 元日も早朝から仕事の娘に、

早起きをしてお弁当を詰めて持たせようと、

紅白を途中から録画して早く寝たのに、

何故か録画開始から十九分で終わっていた。

退屈な元日にゆっくり歌合戦を楽しむつもりだったのに。
 
 ああするつもりだった、こうするつもりだった、

と一日が過ぎ一年が過ぎ一生が過ぎていく。

 二歳上の従姉妹が終活を始めたという。

まず手始めはお正月に、普段は離れて暮らす家族が揃ったのを機に

家の中の断捨離をしたらしい。

アルバムは10冊以上、本と紙類でトラックに2 台、

手放して後悔したものは何もないと言う。

あっぱれ!

私も見習おうと新年ひっそり誓う。

ひっそりと言うところがまだ駄目だ。

また年末に「つもりだった」を繰り返さぬように、ここで誓おう。