田舎に生きるふつうのおばさん2

北海道の田舎で農業を営むおばさんです

味噌汁 旭川新聞 並木道 平成27年4月21日

一番好きな食べ物は?と聞かれたら、私は味噌汁と答える。
ケーキもお寿司も捨てがたいが、それは無くても生きていける。
しかし味噌汁がなければ一日が始まらない。

旅先のホテルで「たまには洋食を」という仲間にどうぞと言って、一人和食の店へ。
結局、私に合わせて皆が毎朝和食になって、悪いことをしてしまった。

いつからこんなに味噌汁が好きになったのだろう。
それは多分、自分で味噌を仕込むようになってからだ。
以前はだしも具もあまり考えず簡単にできるものを選んでいた。
あるとき友人に「せっかく美味しい味噌をつくっているのだから、
だしも自分で取ると良いのに」と言われ、実践し始めた。

手間もかかるし今までの味に慣れていて天然のだしの味噌汁が美味しく感じられず、
何度も挫折した。 
試行錯誤の結果、今のスタイルにたどり着き、ここ一年くらいでようやく習慣になった。

夜、鍋に水をとり、昆布と煮干しを入れておく。
朝起きたらすぐに弱火にかけ、沸騰まで時間をかけてゆっくりと旨みを引き出す。
具の旨みが出るように、何種類かの食材を組み合わせる。
煮干しのはらわたも頭も取らない。
面倒なことはしないのが長く続く秘訣だと思う。
そろそろ鍋のふたが踊り始める。
今日はミツバを摘んでこよう。