田舎に生きるふつうのおばさん2

北海道の田舎で農業を営むおばさんです

若返っていく多恵ちゃん 多恵ちゃんワールド炸裂の巻

コロナの影響で 母の居るホームは面会禁止になった

おかしなことをいって電話がかかってきたのも一日だけで

そのあとウンでもスンでもない

会えなくても 行けば 差し入れくらいは渡してくれるだろう

前にほしがっていた湿布と果物とお菓子を少し持って

母のホームへいってみた

部屋へは入れてもらえなかったけど

母を玄関まで連れてきてくれて

玄関ホールで少し喋ってきた

 

いきなりだ

いきなりきたよ

いやいやいや~~馬をひろってさ~ ふふふ 

不敵な笑いとともに 多恵ちゃんワールドの始まり始まり~~

私: 馬ひろった??? ありえない!!

多恵ちゃん: だってね逃げないんだもの

私: いやいやいや~ 今どき馬なんて居ませんから

多恵ちゃん: 何いってるの!一度あの馬で荷物も運んでるんだから!

私: どこにいるのさ?

多恵ちゃん: それがね~ 屋根しかない小屋に入れてあるのさ エサ上げないで                 

                 来ちゃったから気になってるんだよね~

私: 昨日ね 実家までいってきたわよ うちで法事するからテーブルを借りにいっ   

   たの。馬なんてどこにも居なかったよ

多恵ちゃん: どこ見てるの! あの小屋見なかったのかい?

私: どこにその小屋はあるの?

多恵ちゃん: 家の裏から出たところにあるんだよ ちゃんと見てこなかったで

         しょ?

私: それってどの家の話?

多恵ちゃん: 富原の家さ

 

富原の家に住んでいたのは私が小学生の頃までだ

年をとると子供に返るというけれど

多恵ちゃんは一人でタイムマシンに乗って 

ものすごいスピードで若返っているようだ

 

ここに来るならマッチを持ってきて欲しかった といった

マッチなんて何に使うの?と聞いたら

木っ端がたくさん散らかっているから あれをかき集めて焚き付けにして

火を焚けば 魚の頭やらをクズ芋と煮れば鶏のエサになる

魚のアラが傷まないうちに煮たいのだ と訴える

私:鶏飼ってるの?

多恵ちゃん:だいぶ減ったけどね~まだ少し居るんだよ 

        毎日卵も産んでるんだよ

 

一気にタイムマシンで50年くらい昔に戻って彷徨っているふうの多恵ちゃん

そういったかと思えば

うちで法事をすると言ったら

じいちゃんのかい? 私からも仏様に何かお供えしたいから何か買っておそなえしてあげてちょうだい

と急に今に戻ってしっかりとそんな話をしたりもする

 

玄関ホールで 盛んに 外の左の方を気にする

このホームの左手に 小屋があるのだという

なんでこんなところに小屋があるんだか・・・

その小屋にこの前から姪っ子が住んでいて

まだ帰らないで居るんだよ

と言う

その小屋にいってみたくてしょうがない母

だけど外出禁止だから

出られない

 

このウイルス騒ぎで 面会禁止 外出禁止 

 楽しみなデイサービスも3月いっぱいお休みになって 

月に一度の通院も帰りに美味しいご飯を食べるのが楽しみだったのに

薬だけ送られてきて診察もなくなり

だからタイムマシンに乗っちゃったのかな

トンチンカンな話に否定をし続けると 

顔色を変えて怒り出す

コロナ騒ぎが落ち着いたら 家に行こうね~

となだめて帰ってきた

これから妹に報告しよう

もう否定しちゃいけないといっておこう