田舎に生きるふつうのおばさん2

北海道の田舎で農業を営むおばさんです

猫と野良犬

コロナ騒ぎで母の老人ホームは外出禁止が続く

楽しみだったデイサービスにも もうずっと行けてない

外は雪もすっかり消えて窓からは力強いお日さまが注ぐ

老人ホームに面会に行くと 部屋へは入れないが

母を玄関まで連れてきてくれる

玄関に靴を履くときのための腰掛けがひとつあって 

そこに母が座って 少しの時間おしゃべりをしてくる

母は外が気になってしょうがない

ちょっとくらい納屋まで行かせてくれたって良いのに それもダメだって言うの

と訴える

老人ホームの隣に自分の家の納屋があるという

あるわけないでしょ!などと言おうものなら

ちゃんと夜に見に行ってこの目で見てるんだから!

まったく人の言うこと信じないんだから困っちゃうよね

と怒り出す

そのことを 母は

不思議だけど本当なんだわ

という

そこに猫を飼っているのだという

昼間行かせてもらえないから 夜にコッソリ行くのだという

でももう3日も行ってなくてゆうべ行ったらもうグッタリしててさ

という

夜に夢で見てるんでしょ?

みんなそういうんだわ だけどね これは本当なの

この前まで野良犬が来て たくさんいた猫がだいぶやられたんだけど

犬は駆除してくれたらしいの

どうやってあんなの捕まえたんだろうね~

エサでもばらまいたんだろうかね~

母はずっと動物を飼い 世話をして癒やされて心を通わせて暮らしてきた

妄想の中に鶏が現れて馬が来て最近は野良犬と猫だ

牛は?長年飼ってきた牛はいつどんな形で現れるのだろう?

 

朝早くに ばあちゃんと兄貴が来た という

ばあちゃんって誰? 

しずさんさ!(母の姑)

兄貴って?

一雄兄さんに決まってるしょ

で何喋ったの?

それがあんまり朝早かったから 何も喋る前に帰ってもらったんだわ

しずさんも一雄兄さんも既にこの世の人ではない

そりゃあ母さんを迎えに来たんだねえ~

と やけくその冗談を言ったが 全然反応がない

おかしいよね~しずさんなんか死んでるのに

死んでるのがわかってるのに自分がぼけていることには気付かないんだ

やっかいだなぁ~

どうせぼけるなら楽しくぼければいいのになぁ~