朝ご飯のとき
とーさんが先に食べ終わって 食器を持って立つ
そのときに
じっと私の顔を見る
何もいわなくても いいたいことはわかる
とーさんの顔には
何か忘れちゃいませんか?
と書いてある
そこまではわかるが
その次が解らない
何をいいたいのか
今日は誕生日だったか?
違う
この前終わったばかりだ
結婚記念日?
は
まだ先だ
そもそも朝からそんな話題で熱くなる夫婦ではない
納豆も出した
魚もある
何さ?
何を忘れたんさ?
なに?いってよ~
気がつかなければいい
と怒ったふうでもなく静かに言うとーさん
いやいや気持ち悪いから言ってよぉ~~
黙って台所へ向かうとーさん
その手には
あ! 食べ終わった食器に お椀がない!
あら!味噌汁 ださなかった?
正解!
って・・・なにそれ?
なんで言ってくれないわけ?
言えばいいしょ
変なの
台所には 忘れられたお椀がひとつ・・・
こんなに近くにいる 二人の間を
そのとき 冷たい風がすーっと吹いたのでした
もやもやした気持ちのまま
もやもやした空気の中 新米をお届けして参りました
帰ってくると
霧も晴れ
私の心もそれなりに晴れ
いつもどおりに今日も稲刈りでした
ネガティブな気持ちを いつまでも引きずってはいけません
お互いあきらめが肝心と学び合い 喧嘩はしなくなりました
追伸
すきま風も寒いけど
山もこんなんだからね
もう真っ白よ
来週は峠にも雪が降るようです
里にはまだ こないでね~