田舎に生きるふつうのおばさん2

北海道の田舎で農業を営むおばさんです

終の棲家

ひょんなことから 知り合った人
 
美容室で隣に座った人 
 
その人は パーマの最中
 
みーはカットの最中
 
話が弾み 工房の商品に興味を示され お届けすることになった
 
後日 住所をたどって行ってみると
 
いかにも高級そうなマンションの8階に その人のお部屋があった
 
エレベーターを降りると 廊下には大きな窓 
 
明るい空の下 眼下には旭川の街並みが広がる
 
見晴らしがいいですね~ 夜景が綺麗でしょうね~
 
あら! お部屋から見る景色はもっと素敵よ どうぞ入ってみて~
 
え? いいのかしら? と思いながら折角だからお邪魔することに・・・
 
こちらからは 大きな川と橋が 煌めいている
 
素敵です あこがれます こういうお住まい
 
この景色に惚れてここに決めたのよ 交通の便もいいし 公園も近くにあるしね
 
公園ではよくイベントもあって 近いからよく行くのよ
 
悠々自適の一人暮らし
 
うーんこういう老後もいいかも・・・
 
それから10日ほどして またその人から電話が
 
また商品の配達の依頼だった
 
今度は夕暮れ時に行ってみた
 
夜景を見てみたかったから・・・
 
チャイムを鳴らすと どうぞどうぞと すぐ部屋に案内された
 
夜景は 想像通り 綺麗だった
 
街灯の下にも 家々の灯りにも 橋の上を 忙しげに交差する車のライトにも
 
人々の営みの エネルギーを感じる
 
でも この部屋にはひとり なんだなぁ
 
お部屋は とても明るくて 暖かくて 静かで
 
静かで 静かで・・・
 
独りで夜景を見ていたら・・・
 
泣いちゃうかも・・・
 
帰り際 お婆ちゃんは言った
 
また来てください いつでも来てください・・・と