田舎に生きるふつうのおばさん2

北海道の田舎で農業を営むおばさんです

保存食づくり(旭川新聞H24年10月2日掲載)

我が家は稲作農家です。
畑では自家用野菜を少々育てています。
少々のつもりなのですが、茄子は一袋の種を全部蒔いて育てると六十本余りもあり、
とうきびは二百本以上も植えることになります。
胡瓜だと苗を十本植えると毎日食べても食べても追いつかないほどの収穫があります。
天候や病気のせいで不作の年もありますから、つい多めに植えてしまうのです。 
 せっかく実ったそんな野菜たちを無駄にしないよう、収穫が始まると保存食づくりに忙しくなります。
胡瓜は塩漬け、茄子は乾燥したり素揚げして冷凍してみたり、とうきびは茹でて実をほぐし、枝豆はサヤからはずし薄皮を剥いてやはり冷凍します。
とうきびの黄色とひと手間かけた枝豆の若緑色の一粒一粒が、彩りの少ない季節の食卓を賑わしてくれます。
 先日、街に住む友人たちと加工場でトマトソースを作りました。
トマトは完熟してから収穫したものを二十キロ。
それと三十個の玉葱を刻んで潰して煮詰めて・・・と出来上がるまでに五人で五時間の作業でした。
材料がたくさんあっても一人では出来ない、作り方を知っていても材料がない・・・という人と人とが集まって、嬉しい保存食が出来ました。
 次は味噌も作りたいね、煮豆もいいねと話が弾み、あてのない次の約束をして別れました。
次は何が出来るか、約束が現実のものになるように私は今日も畑に向かいます。