田舎に生きるふつうのおばさん2

北海道の田舎で農業を営むおばさんです

愛のイチゴ 旭川新聞2017 9/19掲載

今年もイチゴの苗を植えました。

イチゴは秋に植えて次の年の初夏に収穫します。

 イチゴには特別な思い入れがあります。

子供の頃、畑に入ることは許されませんでした。

きっと勝手に入って踏みつぶした前科者だったのでしょう。

でも、だからといって採ってもらった記憶も食べた記憶もありません。
 
 ある日友達の家に行ったとき、そこのお母さんに「イチゴなってるから

採っていいよ」と言われ、嬉しさより畑に入っても良いことに驚いたことを

覚えています。記憶なんてあいまいなもので、親に聞けば、食べさせた

と言うのかもしれませんが、大人になったら自分で育てて好きなだけ食

べたいとずっと思ってきたのです。
 
 今まで、私の育てたイチゴの苗はあちこちに貰われていきました。

お節介承知で肥料も持参して友人の畑に植えてきたこともありました。

それを友人は「愛のイチゴ」と名付けて喜んでくれました。
 
 家から車で数分のところにイチゴが大好きな孫がいます。

今年のイチゴはタヌキに狙われ、ネットをかけて必死で守って辛うじて一

度だけ食べさせることが出来ました。

二番目の孫はまだ赤ちゃんですがいつかお兄ちゃんのように回らぬ口

で「いちごある?」なんて言ってくれるでしょうか。